ブログ京都四条烏丸店

祇園祭と京料理

7月は祇園祭りの季節です。
京都の街は約1ヵ月、祭りムードに包まれます。
葵祭、時代祭と並んで京都三大祭りの中でも最も有名なお祭りです。
夏の京都は蒸し風呂のような暑さです。
このとても暑い時期の京料理は鱧をはじめ、夏の京野菜を使った涼を演出する料理でおもてなしされます。

今回は祇園祭の時期の京料理についてお話しさせていただきます。

 

祇園祭は“アート”の宝庫

「京都祇園祭の山鉾行事」はユネスコ無形文化遺産に登録されています。
毎年100万人以上もの観光客が訪れる京都の一大イベントです。

山鉾巡行では豪華絢爛に飾られた山鉾が京都の中心地を進んでいきます。
山鉾にはヨーロッパから伝わった織物や、歴史に名を残す作家が手掛けた絵画、彫刻など、古今東西の懸装品と呼ばれる逸品が惜しげも無く飾り付けられています。

祇園祭は別名“屏風祭り”とも言われます。
祇園祭の宵山期間中の商家では普段は公開していない宝物の屏風を特別に公開しています。重要文化財などが間近で見られるのもこの時期ならではの魅力です。

 

祇園祭りで“きゅうり”は食べるべからず

どうして祇園祭りできゅうりを食べてはいけないのでしょうか?
それは祇園祭りの氏神様の八坂神社の家紋に関係があります。

八坂神社の家紋はきゅうりを輪切りにした時の断面にそっくりです。
このことから京都の町衆は昔から祇園祭の時期にはきゅうりを食べない“しきたり”がありました。

現代ではこの事もあまり知られていません。
現在は祇園祭りの期間中、料理店でも普段どおりきゅうりが使用されています。

 

祇園祭といえば鱧料理

「祇園祭りは鱧祭り」とも呼ばれます。
“夏の京都で美味しい”鱧“を食べたい”というお客様がたくさんおられます。

7月の祇園祭りから8月の大文字五山の送り火をすぎる頃までが、最も美味しいとされる鱧。
鱧の淡く上品な味わいに魅了され、人々は夏の京都を訪れます。
鱧の落とし、鱧寿司など様々な鱧の料理が、本格的な夏の訪れを感じさせてくれます。薄皮1枚を残して、身とともに小骨を切る“骨切り”の音も夏の京都の風物詩です。

瀬戸内や紀州から生きたまま京都に運ばれてきた鱧は、水を離れても長時間生きていられます。その生命力をいただく意味で、夏の滋養強壮に重宝されてきました。

文豪谷崎潤一郎もこよなく鱧を愛し、夏の京都を度々訪れました。
中でも会席料理の御椀、“牡丹鱧”が大好物で何度もおかわりしたといいます。

図1

“インスタ映え”する賀茂茄子

ふくよかでふっくらした佇まい。艶やかで色鮮やかな紫色。

夏の伝統的京野菜の代表格の賀茂茄子の美しさ、存在感はまさに“インスタ映え”する京野菜ではないでしょうか。
料理法も様々ですが、やはり油との相性は抜群で“賀茂茄子の田楽”はとても有名です。

そのほか天ぷらや揚げ出しなど京料理の中でも度々登場します。

 

祇園祭りの粽(ちまき)

祇園祭りでは粽は欠かせません。
それぞれの山鉾では独自の粽が売られています。

これらの粽は笹で作ったお守りで食べられません。お守りとして家や店、会社の大事な場所に置かれます。

この粽は“家内安全”や“無病息災”など厄除けの意味合いが強く、粽への人々の思い入れは特別なものがあります。

一方、料理屋では八寸やご飯物、お菓子としてちまきが出されます。

中身も様々で、鱧寿司や鯛のお寿司、さらには胡麻豆腐や自家製のわらび餅などいろいろです。この粽を巻くには熟練が必要で、特に京都の料理人は祇園祭の季節になると、粽を巻く機会も増えてまいります。

 

 

当店は祇園祭りの宵山期間中は祇園囃子の“コンチキチン”の音が間近に聞こえる絶好のロケーションにあります。

瓢斗 京都店では鱧しゃぶなどこの時期ならではのお料理をご用意し

従業員一同お客様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 

 

瓢斗 京都店

料理長 山本耕作

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