ブログ京都四条烏丸店
松花堂弁当と幕の内弁当の違いについて
「幕の内弁当」は、現在においてお弁当の代名詞とも言える、最もポピュラーなお弁当ですが、これに似た「松花堂弁当」というものもありますよね。懐石料理のメニューなどにもある「松花堂弁当」と、「幕の内弁当」には、どのような違いがあるのかご存知でしょうか?「弁当」と呼ばれていることから、これらは混同されてしまいがちです。
本日は、松花堂弁当と幕の内弁当の違いについてお話いたします。
松花堂弁当と幕の内弁当の違い
一般的に、松花堂弁当は「豪華で特別感のある御馳走」というイメージがあり、幕の内弁当は、駅弁やお弁当の専門店、コンビニなどでも購入することができることから、「手軽に楽しめるお弁当」という印象があるのではないでしょうか?
これらのお弁当の違いは、購入できるお店や、高級感があるかどうかというイメージだけではもちろんなく、作られるようになった由来や、お料理の配置などにもあるのです。
しかし、そもそも「松花堂弁当」とはどのようなお弁当なのでしょうか?
まずは、松花堂弁当についてご紹介します。
松花堂弁当とは?
松花堂弁当とは、「弁当」という名前がついていますが、立派なお料理で、懐石料理と同じように食べ方のマナーがあります。
内側を十字に仕切った箱に、刺身や煮物、焼き物などのおかずを詰め、一緒にお吸い物やご飯ものをいただくお弁当で、小鉢を使用して配置しているのが特徴です。きちんと仕切りがあることによって、それぞれのお料理の味や香りが混ざる事がなく、見栄えもすることから、特に女性に人気です。
松花堂弁当の起源は江戸時代にさかのぼり、「松花堂」という名前は江戸時代の画家で書家、僧侶でもあった松花堂昭乗に由来しています。
京都府八幡市にある石清水八幡宮の住職である松花堂昭乗が、内側を十字で仕切った箱を農家が種入れとして使っているのを見て、茶会の煙草盆や絵の具箱として利用したのがきっかけとされています。それから数百年後の昭和初期に、松花堂昭乗が愛用していた四つ切箱が松花堂弁当に採用されたのです。
立派なお料理である松花堂弁当をいただく際には、懐石料理をいただく際と同様に、マナーにも注意が必要です。例えば、「手皿ではなく懐紙を使って食べること」、「わさびは醤油に溶かすのではなく、お刺身につける」などと、和食マナーをきちんと意識することも大切なのです。
幕の内弁当とは?
幕の内弁当は、江戸時代の中期に芝居(幕)と芝居(幕)の間の時間である「幕間(まくあい)」に食べられるようにと考案されたお料理が起源だと言われています。「どこでも食べられるように」ということで、俵型に形成されたご飯に、汁気の少ない揚げ物や焼き物、練り物、漬物などが詰められているのが特徴です。
手軽にいただくことができる幕の内弁当は、現在でも様々な場面で親しまれていますよね。日本の伝統である松花堂弁当と混同してしまいがちですが、それぞれの良さを大切にしていきたいですね。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。
ぜひ一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。皆様のご来店心よりお待ちしております。