ブログ京都四条烏丸店

京湯葉

京都は古くから山紫水明の地として知られてきました。
京都盆地と言われる周りを山に囲まれた独特の地形。
そして京都の地下には琵琶湖全体の水量に匹敵する広大な地下水が存在します。

このような他に類を見ない恵まれた環境の中で、京都では古くから独自の食文化が発達してきました。

上質な水に恵まれ湯葉、豆腐、生麩など精進料理や京料理の発展とともに盛んに作られるようになり、特に湯葉は“京湯葉”と呼ばれ一大生産地となりました。

今回はこの京湯葉についてお話をさせていただきます。
 
 

湯葉の歴史

日本の湯葉の歴史は古く、約1200年前に天台宗の開祖、最澄によって中国から伝えられました。同時に仏教や茶も伝わったと言われています。

日本で最初に伝わったのが滋賀県の比叡山、延暦寺だったようです。

ここから近隣の京都や近江(滋賀県)、大和(奈良県)、関東では日光(栃木県)や身延(山梨県)にも波及しました。

『湯葉』と表記するのは京都、大和と身延。それに対して『湯波』と表記する

のは日光とされています。

 
 

湯葉の作り方

湯葉の原料は大豆と水のみです。

それゆえ上質の大豆、良質の水でなければ美味しい湯葉を作ることはできません。

 

京湯葉は国産の大豆、京都の上質な地下水を用いて作られます。

これらを用いてまず豆乳を作ります。

そしてこの豆乳を加熱すると表面に膜ができます。

この膜が湯葉です。これは大豆に含まれるタンパク質が固まったものです。

この膜を職人が串など使って一枚一枚丁寧にすくい上げていきます。

 

湯葉と豆腐の作り方で一番大きな違いは、豆腐がにがりなどの凝固剤を使用しているのに対して、湯葉は凝固剤を使用せず加熱により大豆の持つ植物性タンパク質が熱凝固したものである点です。

 
 

湯葉料理いろいろ

 

湯葉ちりめん

新鮮な生湯葉を適宜大きさに包丁してほぐしておきます。

ちりめんは浄水、料理酒、醤油、味醂で調味して、じっくりと炊いた後

仕上げに新物の鮮やかな緑色の実山椒をたっぷりいれ仕上げます。

炊き上がったちりめんと先程切ってほぐしておいた生湯葉をざっくりと混ぜて

器に小高く盛り付けたら出来上がりです。

また炊きたての白ご飯に上にのせると、山椒のぴりっとした風味がアクセントになってとても美味しいです。

 
 

揚げ湯葉

平湯葉を大きささに切り、油でカリッと揚げたシンプルな料理です。

油の適温は180℃位で少し色がつく程度に揚げていきます。

仕上がりにまんべんなく塩を振りかけたら完成です。

サクッとした食感と軽い口当たりは日本酒などのお酒のつまみにぴったりです。

 

 

旬の京野菜の東寺巻

東寺巻とは野菜などの食材を湯葉で巻いて調理した料理のことで、主に精進料理の中でよく使用されます。

ぜんまいや、ふき、ごぼう等をシート状の平湯葉で巻き、それを崩れないように

軽く縛っておきます。これを調味したお出汁とともに煮含めていきます。

湯葉の持つ鮮やかな色を保つ為、あまり色をつけないようにするのがポイントです。炊き上がった東寺巻きを適宜包丁し、季節の炊いた野菜などと一緒に盛り付け炊き合わせとして提供します。

この料理は季節によって中に巻く野菜や具材を、作り手が色々とアレンジできるのが面白いです。

 

瓢斗 京都店では京都北部、美山町の京生湯葉を使用しております。

美山町を流れる美山川は京都府でも指折りの清流として知られ、特に夏の鮎の時期には美山川の天然鮎を求めて多くの美食家や太公望が訪れます。

湯葉の原料である大豆も国産のみにこだわり、契約農家の協力により美山産大豆100%、そして美山の名水を使用した純京都産ゆばが実現しています。

 

瓢斗 京都店ではお鍋の具材やアラカルトメニューの中で多数京ゆばを使用しております。

お客様のご来店を従業員一同、心よりお待ちしております。

 

 

瓢斗 京都店

料理長 山本耕作

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