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畑のキャビアと言われるとんぶり

とんぶりという植物を知っていますか。とんぶりはスーパーフードとして注目を浴びているキヌアと同じアカザ科植物で、美容にも良いとされその形や食感から畑のキャビアとも称されてています。塩分が控えめだったりローカロリーであることから、キャビアの代用品として料理に乗せるレシピもあるほどです。それではとんぶりについて見ていきましょう。

 

とんぶりとは

とんぶり

 

とんぶりは一年草でありアカザ科ホウキギ属のホウキギ(ホウキソウ、ホウキグサ)の成熟した果実を加熱し食べやすいように加工した食べ物のことです。現代は日本料理における一つの食品として用いられていますが、日本で古くには民間用法でも使われていた生薬の一種だったそうです。

古代中国の伝来を見てみるとホウキギという植物は実だけでなく植物自体も食していたそうで、とんぶりは漢方医学の膚子(日本語読み:ぢぶし、じふし)と同じもので、利尿作用や強壮作用が必要な患者に処方していた生薬だったようです。

「とんぶり」の名の由来については色々な説がありますが、「ハタハタの卵をぶりこと言い、それに似た唐伝来のもの」を意味する「とうぶりこ(唐ぶりこ、唐鰤子)」が省略され、とんぶりとなったとする説が有力です。

「トンブリ」と書かれることを目にすることもありますが、「とんぶり」はあくまでも食品であって生物の種を表す和名ではないため、学術記述などで正式にトンブリとカタカナで表記されることはありません。

食品としての「とんぶり」の由来は、箒の材料としてホウキギを沢山栽培していた近世の日本にて、出羽国の米代川流域(現・秋田県比内地方)に暮らす民が飢饉に直面した時にその果実をなんとか工夫して食べて栄養を摂れないかと考え、加工したのが始まりとされています。これがきっかけで、いつの日にか特産物となり今では日本全国で食されるようになったようです。ただし、この加工の仕方は出羽国の民の発明とは考えられず、古くから生薬として加工の仕方を知っていたが、日常的に食べるようなことがなかっただけだとされています。

10月から11月にかけて旬を迎え、収穫をします。その後しばらく乾燥させた実を煮て、約1日水に浸けてふやかし、手で揉みながら口当たりの悪い外皮を取ります。これを2、3回繰り返せばとんぶりの出来上がりです。また、生食用のとんぶりは、9月の上旬から中旬にかけてお店に出回ります。

 

果実は直径1 – 2mmの小さな粒で、光沢のある暗い緑で、プチプチとした歯ざわりも似ていることから、日本語では「畑のキャビア」「和製キャビア」とも呼ばれます。すりおろしたり短冊切りした山芋や納豆などと混ぜ合わせてポン酢や醤油をかけて食べるとプチプチした食感が楽しめます。

 

とんぶりの栄養と効能

 

成分としては、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛、食物繊維などを含みます。

ビタミンミネラルは豊富で、バランスも良く、免疫力の活性化や抗酸化作用があるとされるビタミンA(βカロテン)は100g中に800μg含まれます。骨形成には欠かすことのできないビタミンKも100g中120μgと比較的多く含まれます。また、活性化酸素を無力化し不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ抗酸化作用があり老化防止にも効果があるとされるビタミンEも多く含まれており、野菜の中では含有量上位に入ります。

そして、便秘症の方には嬉しい食物繊維が100g中7.1gと大変豊富で、これは食物繊維が多いとして知られるゴボウをも凌ぎます。更にとんぶりの中の食物繊維は不溶性のものが多く大腸内で水分を吸って大きくなり便の量を増やすので、腸壁の蠕動運動を促進させる働きを持ち、そのため便秘解消に役立ちます。また水溶性食物繊維より体外に有害物質を排出する力が強く、大腸がん予防にもなると言われています。

 

とんぶりに含まれるサポニンには、体内での脂質の代謝を促進して、余分なコレステロールが血管壁に付着するのを防ぐ作用があり、スコパリアノシド(scoparianoside)類とコチアノシド(kochianoside)類には、小腸での糖の吸収を緩やかにし、血糖値の急激な上昇を抑制してくれる働きがあるスコパリアノシド類や余分なコレステロールの吸収を抑えるサポニンも含まれています。

 

当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。是非一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。

 

皆様のご来店心よりお待ちしております。

 

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