ブログ京都四条烏丸店
お正月の室礼(しつらい)。鏡餅と門松について
新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今年のお正月は天気にも恵まれ、穏やかに新年を迎える事が出来たのではないでしょうか?
良い1年を過ごすことができるといいですね。
室礼について
さて、みなさんは室礼(しつらい)という言葉を聞いたことがありますか?今日はお正月の室礼(しつらい)についてお話していきたいと思います。
まず室礼について書く前に、お正月について触れていきます。
正月は一年が始まる月のことを言い、1月自体を正月と言います。なぜ正月というかと言うと、「正」には年の初め、年が改まるという意味があるからだそうです。そしてお正月の行事といえば、皆さんも毎年暮に書いているであろう年賀状です。現在、人々が前年にお世話になった人々に感謝の気持ちで年賀状を書いて送っていますが、平安時代後期にはこの風習があったそうです。近年はメールで済ます人も増えてきていますが、直筆の文章をはがきに認めて年賀状として送るのはなんとも温かみがあって古き良き習慣とも言えるので、今後も続けていってほしいですね。
それでは、ここから正月の室礼についてお話ししましょう。
まず、「室礼」とはなにかご存知でしょうか?それは、季節の節目や人生の節目に花や本、置物を玄関や床の間、棚などに飾って楽しむもののことを言います。
室礼:鏡餅
お正月の室礼として一番に思い浮かぶものは鏡餅ですね。鏡餅とは、神様にお供えする平らで丸いお餅のことです。鏡餅という名前の由来は鏡には神様がいると古く信じられており、鏡の形になぞらえているそうです。なので、鏡餅は神棚や仏壇、床の間に飾ってあることが多いです。鏡餅の飾り方は、奉書紙(和紙)を三方に垂らして敷き、その上に大きさの違う鏡餅を2つ重ねて置きます。その上に、みかんを乗せたり、昆布を飾り付けたりします。
鏡餅には更に一緒に飾ると良いとされる4品があります。栗、黒豆、コロ柿、五万米です。勝利につながるということで勝栗。お豆とマメな人をかけて、まめであれるよう願いを込めて黒豆。誰も食べたいと思わない渋柿でさえも修練を積めば床の間の飾りになることを例えとして、精神的な気高さを表すとされるコロ柿。子孫の繁栄や豊穣を祈って飾る五万米です。これらを飾るととても華やかで、色々な願いのこもった鏡餅になります。
また、1月11日は鏡開きとされていて、この鏡餅を食べます。今ではプラスチックで包まれた餅などで作られた鏡餅が売っており、そのまま焼いても美味しいです。しかし、昔は餅をそのまま飾るため、鏡餅はとても硬くなっており、これを叩いて割り、雑煮などにして食べる習わしでした。
室礼:門松
次に思いつくのは「門松」ではないでしょうか?門松とは竹や松で作られた飾りの事で、玄関などに飾ります。
門松は地域によって呼び名が違い、松飾り、飾り松と言われることもあります。松で飾りを作る理由は、古くから神様は木の梢に宿っているとされているからだそうです。そのため、門松は家に歳神様を迎える際の依代の意味があるそうです。門松を飾る期間は12月23日前後から1月15日までというのが伝統ですが、近年はクリスマス行事が盛んなため12月28日から1月7日までに短くなることがほとんどです。
正月飾りを飾り始めてはいけないとされている日があります。それは12月29日と12月31日です。29日がだめな理由は、語呂が二重苦に重なり縁起が悪いとされるからです。31日を避けたほうが良い理由は、正月飾りが必要なお正月まで一日しか時間がなく、一夜限りの飾り、つまり「一夜飾り」となってしまうことから神様に失礼だとされているそうです。
今回はお正月の室礼の代表的な「鏡餅」と「門松」についてお話してきました。
どちらも長く受け継がれてきた歴史や、先人の知恵やこだわりが随所に感じられるものだと思います。日本人の良いところである、「伝統を大事にする」という気持ちがあったからこそ今日まで続いてきたのではないでしょうか。まだまだ知らない室礼が数多くあり、奥の深い世界ではありますが、多くの方が日本の文化について興味を持っていただき、これから先も風化することなく後世にも受け継がれていって欲しいと感じます。
本年も皆様にとって素晴らしい一年になりますように心よりお祈り申し上げます。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。是非一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。
皆様のご来店心よりお待ちしております。