ブログ京都四条烏丸店

2018.3.12

京筍

春は筍が美味しい季節です。

 

京都は日本の中でも有数の筍産地として有名で、この時期は大いに活気づきます。

京都盆地の西山一帯は最高級の筍の生産地です。

中でも物集女、大原野、塚原産のものはブランド化し、全国からの引き合いも多く高価な値段で取引されています。

この地域は土壌が筍の生育に必要な粘土質です。

そのうえ、京都のこの地域は上質な筍に必要な気候風土が整っており、京筍の一大生産地となっています。

 

筍の歴史は古く1200年前の平安時代にまで遡ります。

現在の京都長岡京市の僧侶が中国の唐から持ち帰った「孟宗竹」が起源と言われています。

 

 

 

時期の早い“早掘り筍”は3月中旬から下旬、最盛期は4月中旬から5月上旬ごろです。

筍の成長は非常に早く、芽が出て10日をすぎると竹になって食べられなくなってしまいます。

 

 

“朝掘り筍”が美味しいと言われますが、筍は特有のアクやエグ味が強く、収穫した瞬間からアクが出てきます。

さらに時間が経つとエグ味も出てきてしまいますので、できるだけ早く湯がかないといけません。

筍のアクの成分はホモゲンチジン酸とシュウ酸です。

筍の下茹での時に米糠を入れますが、これによってシュウ酸が茹で汁に溶け出す効果があります。

また米糠には筍を柔らかくする効果もあります。

この米糠によって筍の中のシュウ酸量の約半分が溶け出したという実験結果もあり、かなりの効果があります。

 

 

筍は入手したらまず表面の土を水で洗い落とします。

次に先端を切り落として、縦に一本包丁目を入れて皮付きのまま茹でます。

しばらく茹でて筍の硬い部分にすっと串が通るようになれば出来上がりです。

そのあと表面の皮をむいて充分水にさらします。

これで筍の下処理は完成です。

 

 

京筍の中でも白子筍といわれる最高級の希少な筍があります。

収穫時表面の皮が黒っぽい通常の筍に比べて、白子筍は表面の皮が白っぽいのが特徴です。

地上にわずかしか芽を出していないものを収穫する為、日光にほとんどあたることがありません。

これによりアクやエグ味がほとんどなく、生でも食べられます。

大変希少価値が高く、全体の筍の量に占める割合はわずか1%と言われております。

その姿は赤ん坊のお肌のように白く、とても美しいです。

 

美味しい筍を作るには生産者の1年を通じての竹林のお手入れが欠かせません。

夏の時期の手作業による雑草取り、冬の時期には竹林にわらをしきつめます。

これは保湿効果、保温効果を向上させ栄養も多くなります。

こうした生産者の苦労があってはじめて美味しい京筍が出来上がります。

 

 

 

京都 筍

 

 

 

代表的な筍料理

 

若竹煮

 

春の日本料理の煮物として有名で、春が旬の食材の絶妙な出合いものです。

作り方は下茹でした筍を適宜大きさに切っておきます。

新物のわかめは下処理をして一口大に切っておきます。

まずは筍を調味したお出汁で炊きます。この時、筍の素材の味を活かすため

調味料は控え目にしておきます。

わかめも同様調味したお出汁で炊きますが、こちらはわかめの鮮やかな色を

残すため短時間でさっと炊き上げます。

筍とわかめを温めてお皿に盛り付けます。わかめはたっぷり入れるとより美味しいです。

最後に木の芽をたっぷりと上に載せたら出来上がりです。

 

 

焼き筍

 

焼き筍も代表的な筍料理の一つです。

作り方は様々ですが、ここでは家庭でも簡単にできる作り方をご紹介したいと思います。

湯がいて下処理した筍を適宜大きさに切り、水にさらしておきます。

水気を切って焼いていきますが、家庭ではフライパンで焼くのが簡単で良いと思います。

まず強火で筍に焼き色がつくまで焼きます。次にあらかじめ用意したタレと絡めたあと、上に木の芽をのせたら完成です。

 

 

 

瓢斗 京都店では若竹煮をはじめ、焼き筍、天ぷらなどこの時期にしか味わう

ことのできない筍料理をご用意しております。

 

 

瓢斗 京都店

料理長 山本耕作

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