ブログ京都四条烏丸店
芋棒は京都の伝統料理です
京都には沢山の郷土料理が存在します。西京漬けや千枚漬け、ちりめん山椒などはその中でも有名どころかもしれません。そんな中、今回ご紹介するのは、【芋棒】という京都の伝統料理です。普段少し聞きなれないお料理の名前かもしれません。でも実は非常に手間隙がかかったお料理で知る人ぞ知る京都の名料理です。そんな芋棒の魅力を今回はお伝えします。
芋棒とは
芋棒(いもぼう)とは、知る人ぞ知る京都の伝統料理です。
食材は至ってシンプル。海老芋と棒鱈を一緒に炊き合わせたものです。海老芋とは京野菜の一つで、江戸時代中期に九州で作られていた唐芋(とうのいも)を京都に持ち込んだのが始まりと言われています。非常に高価なものとされていたため、質素倹約をしていた商家などでは正月などの特別な日のみに使っていました。真鱈を干した棒鱈は、その当時比較的安価だったため、ただの里芋と棒鱈を炊き合わせた芋棒は京都の庶民の惣菜とされていました。厚く面取りした海老芋と、1週間 ~10日程時間をかけてゆっくり柔らかく戻した棒鱈を、1日以上かけて炊き上げるという非常に手間隙かけた料理です。煮崩れしやすい芋と煮えにくい棒鱈を普段は炊き合わせることはありませんが、棒鱈から染み出る成分が海老芋を包み込み煮崩れを防ぎ、海老芋から出る灰汁が棒鱈を柔らかくするという相互効果があるため、芋棒は特別に炊き合わせています。
芋棒の作り方
今回はご自宅で作っていただける芋棒(いもぼう)の作り方をご紹介します。
- 棒鱈をよく水洗いして汚れを落とします。
- 洗った棒鱈を適当な大きさに切ります。
- 米のとぎ汁につけます。 ※とぎ汁は1週間の間毎日取り替えます。
- 鱈を水から1時間ほど茹でたあと、冷水にさらします。
- 鍋に出汁と酒を一緒に入れ、鱈と出汁昆布を加え煮立てます。
- 沸騰したら砂糖を加え、アク抜きをしながらさらに15~20分煮ます。
- 芋を剥いて約8分茹でた芋を加えます。 ※里芋は海老芋や京芋を使用します。
- 削ったかつお節を入れた袋を鍋に入れます。
- そこに醤油を加えます。
- 煮汁が半分以下になるまで煮込みます。
- みりんを加え、艶を出します。火を止めてなじませます。
- 器に盛って完成です。
棒鱈
北海道の稚内や礼文島などが産地の棒鱈は、真鱈を塩も使わずに干しあげた干物のことです。干物にすることによって、日持ちしない鱈を流通させやすくしたと言われている保存食です。京都だけではなく、西日本や北陸、東北で昔から郷土料理に棒鱈を使ってきました。特に内陸部に関しては非常に鮮魚が入手困難だったため、内陸部のご馳走として根付いています。元々棒鱈は非常に硬く、叩けばカンカンと音が鳴り、とてもそのままでは食べられるものではありません。そんな棒鱈は一晩かけてゆっくりと水で戻し調理します。棒鱈は主に煮物に用いられ、ほろほろとした柔らかい食感で風味も独特だと言われています。他にも砂糖や酒、醤油、みりんなどと煮込んだ棒鱈煮。芋などと炊き合わせたり、うま煮・甘露煮・煮魚等に加工するなどその料理の幅が非常に広いのも根強い人気の理由です。また棒鱈は脂肪が少なく高たんぱくでビタミンも豊富に含まれています。そのことからダイエットをはじめ糖尿病などでカロリーコントロールされたい方に非常に良い食材と言われています。
そんな棒鱈が入った芋棒を、ぜひ一度食べてみてはいかがでしょうか。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。是非一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。
皆様のご来店心よりお待ちしております。