ブログ京都四条烏丸店

初鰹

五月は初鰹がとても美味しくなる季節です。

 

初鰹の旬は一般的に三月から五月と言われますが、漁場が広範囲に渡るため地域によって旬が異なります。
春になるとカツオは黒潮にのって群れで日本にやってきます。
二月から五月にかけて九州から四国、近畿を経て伊豆、房総沖へとやってきます。
この時に水揚げされるカツオを『初鰹』とよんでいます。
産地では特に高知県、土佐が有名です。

 

一方、九月から十月になるとカツオは東北の三陸沖から南下を始めます。
この時期のカツオのことを『戻り鰹』と呼んでいます。

 

味わいは、初鰹が脂身が少なくあっさりとした淡白な味わいであるのに対して、戻り鰹は、日本沖の太平洋を北上し回遊する中で、餌をたくさんとり、たっぷりと栄養を蓄えるので、とても濃厚な味わいとなっています。

 

 

『目に青葉、山ほととぎす、初かつお』

江戸時代中期の俳人、山口素堂のこの名句はあまりにも有名で、五月の初夏のこの時期にぴったりの句です。
この句が詠まれた江戸時代、初物好きの江戸っ子は『女房子供を質に入れてでもカツオを食え』というくらい、旬のはしりのカツオを競って食べたといいます。
カツオの色鮮やかな銀色の縞模様、張りのある流線型の体、カツオは味もさることながら、江戸っ子好みの粋な姿に映ったに違いありません。

 

 

 

『鎌倉を生きて出でけむ初鰹』

かの俳人松尾芭蕉はこんな句を詠んでいます。
当時、江戸のカツオの主な産地は現在の鎌倉付近であったためこの句が読まれたようです。

 

カツオの漁法は一本釣りと巻き網漁の2種類があります。
一本釣りはカタクチイワシや疑似餌でカツオを一本ずつ釣り上げる伝統的な漁法です。
一方、近年主流になりつつある巻き網漁は、大きな網で大量のカツオを一度に捕獲する為、魚体がぶつかり合って傷ついてしまいます。

 

また網で引き上げる際の圧迫によって魚体に血がまわってしまいます。
巻き網漁と一本釣りでは品質に大きな違いがあります。
一本釣りは一本一本釣り上げられるため魚体の品質が保たれます。
鰹のたたきはこの一本釣りのカツオが最適です。

 

 

 

鰹のたたき

 

京都 初カツオ

 

 

初鰹はたたきにして食べるのが最も一般的で美味しいと思います。
現在では炙って真空にされたものがスーパーなど量販店でも売られていて、一般家庭でも手軽に味わえるようになりました。
手間はかかりますが、家庭でも生のカツオをガス火で炙っていただくと香ばしく、風味もよく、より一層美味しくいただくことができます。
さらに料理屋や本場高知県土佐では藁や茅を使ってカツオを焼きます。
これによりカツオは香りの良い煙に燻され、いっそう深みのある風味、香ばしさが生まれます。
現在では藁や茅を手に入れるのが難しく、本場高知県でもほとんどがガス火で焼くようになってしまいました。

カツオのたたきの作り方は、まず新鮮な生のカツオを包丁で三枚におろして適宜、サクに切り分けておきます。

これに串をうち、うす塩をして強火でさっと炙ります。

これを氷水につけて冷やしたものを適宜切り分けます。

 

 

カツオのたたきはポン酢で食べるのが一般的です。
高知土佐では“塩たたき”といって、ポン酢につけずにカツオにかけた塩だけで食べるシンプルな食べ方も人気があります。
またカツオのたたきは色鮮やかな薬味と一緒に食べるのが美味しいです。
薬味は葱、にんにく、茗荷、生姜など。お好みでたっぷりとカツオと一緒に食べると、より深い味わいを楽しむことができます。

 

 

酒盗
酒盗とは新鮮な魚の内蔵をよく洗ったあとに塩漬けして長期間熟成させたものです。
酒盗を酒の肴にして酒を飲むと酒が進んで、酒を盗んででも酒が欲しくなるところからこの名があるそうです。
カツオの酒盗の他に、鮪、鯛、鮭、秋刀魚など種類も豊富です。

 

 

 

瓢斗京都店では会席料理や一品料理でかつお料理をお出ししております。
お客様のご来店を従業員一同心よりお待ちしております。

 

 

瓢斗京都店
料理長 山本耕作

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