ブログ京都四条烏丸店
冬の風物詩 大根炊き
師走に入り、冬の寒さが増して言っているように思います。
京の底冷えといわれていますが、12月の京都の風物詩に「大根炊き(だいこたき)」があります。
あまり観光客には知られていない行事ですが、京都のお寺では体の冷え込む冬に大きな鍋で大根を炊いて振る舞う風習があります。
本日は、「大根炊き」についてお話をさせていただきたいと思います。
大根炊きの風習
大根炊き(大根焚き)は、大根の甘く美味しくなる11月末から12月の始め頃に行われています。
1月や2月に行われるところもありますが、京都に住む者にとっては冬の訪れを感じさせる風物詩となっています。
その由来やご利益は、お寺によって様々なのですが、大きな釜で大量の大根を炊いて参拝者に振舞うというのは同じです。
師走の頃の関西のニュース番組では、大根炊きの光景が例年流れます。参拝者は、無病息災を願って熱々の大根をいただきます。
中でも有名なのが、京都の千本釈迦堂と了徳寺の「大根炊き」です。
千本釈迦堂大報恩寺は真宗大谷派(東本願寺)の寺で、お釈迦様が菩提樹(ぼだいじゅ)の下で悟りを開いたこと(12/8)にちなんで毎年12月7日と8日に大根焚きが行われます。
大根に加持祈祷した梵字を使っているのが特徴です。
京都市右京区にある了徳寺は、親鸞上人のすすき塚の伝説で知られた寺院です。
親鸞上人が了徳寺を訪れて説教をした時に、感動した里の人が大根の塩炊きを差し上げました。これに対して聖人はすすきの穂を束ねて筆にし、「帰命尽十方無碍光如来」の十字を書いてお礼に渡したことを徳として、毎年報恩講を行うようになったそうです。
毎年12月9日と10日大根炊きが行われます。
※いずれも今年の大根炊きの振る舞いは中止となっています。
大根の栄養効能
この大根を食べるというのは、「大根どきの医者いらず」ということわざもあるように、昔から大根は心身の解毒作用や中風や諸病除けに効くとされる食べ物だったからのようです。
現代でも、大根には様々な栄養が含まれていることがわかっています。
大根の根の部分には、辛みの原因であるイソチオシアネートがありますが、優れた抗菌作用や血栓の予防効果があり、がんの抑制効果も期待できるといわれています。
また、大根に含まれる消化酵素は食べ物の消化促進に役立ち、胸やけや胃もたれを防ぐ作用があります。
さらに、ビタミンCも豊富に含まれていて、老化や免疫機能の低下を抑える、抗酸化作用が期待できます。
大根の葉もたくさんの栄養が含まれていて、根には含まれていないカロテンやカルシウム、カリウムなどがありますので、捨ててしまうにはもったいない部分です。
熱々の栄養たっぷりの大根を食べて、寒い冬を乗り切るというのは昔からの人々の願いであり、知恵だったのでしょう。
皆さまも、スーパーフードの大根を冬のパワー食として取り入れてみてはいかがでしょうか。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。
ぜひ一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。皆様のご来店心よりお待ちしております。