ブログ京都四条烏丸店
嵯峨菊の季節がやってまいりましたね
京都の11月といえば皆さんであれば紅葉を最初に思いつくのではないでしょうか。
11月といえば、花は乏しい季節になります。しかし、京都にはこの時期に紅葉だけではなく、花を楽しむことができるお寺があるのです。そのお寺では、11月からの1カ月間のみ「嵯峨菊」というあまり聞きなれない花の催しをしています。催しを行っているお寺のご紹介も含めながら、「嵯峨菊」についてお話していきます。
旧嵯峨御所・大覚寺
大覚寺は真言宗・大覚寺派の大本山で、嵯峨野エリアの端っこにあります。大覚寺は別名旧嵯峨御所とも呼ばれており、皇室ゆかりのお寺である門跡(もんぜき)寺院の一つです。京都の有名な門跡寺院には毘沙門堂や三千院などがあります。元々は嵯峨天皇の離宮である嵯峨院でしたが、これが後にお寺となって現在の大覚寺となりました。明治の初めまでは皇族に縁のある人々が住職を務めていたそうで、とても由緒のある格式高い寺院です。この寺院は時代劇の撮影で良く使われる太秦の近くにあり、大覚寺の大沢池や明智門などは時代劇の舞台となり、撮影によく使われるそうなので、時代劇をよく見る方が訪れるとより楽しめるかもしれませんよ。
嵯峨天皇が広めたいけばな嵯峨御流
大覚寺は、いけばな嵯峨御流の総支所にもなっています。この生け花の開祖は嵯峨天皇で、大沢池で舟遊びをしていた時に池の菊ヶ島に咲いている美しい菊を摘んで、生け花としたことが起源とされているそうです。大沢池は日本最古の庭池とも言われており、歴史の深い場所となっています。記録文献として、嵯峨天皇が兄上の平城天皇に庭の花を生けて献上したと残っているそうです。嵯峨天皇は華道を愛し人々に広めたため、現代のいけばな嵯峨御流が広がったとされています。約1200年の歴史を誇る生け花を通して嵯峨天皇の意志が今も嵯峨の地にあり、拝観の際には美しい生け花が訪れる人々を出迎えてくれるそうです。
嵯峨菊とは
嵯峨天皇や大覚寺についてご説明したので、いよいよ本題の嵯峨菊についてお話します。
この嵯峨菊は、江戸菊や肥後菊と一緒に日本三大名菊の一つと言われる有名な菊で、古典菊の一つにも数えられています。嵯峨菊は、嵯峨天皇の生きていた時代に元々大沢池の菊ヶ島に自然に生えていたものを、永年の時間をかけて王朝の感覚で試行錯誤し、「天・地・人」の微妙な配置にした格調高い気品ある菊だと言われています。古典菊である嵯峨菊は1つの鉢に3本仕立てており、その高さは殿上から見た時にちょうど美しく見える約2メートルになっているそうです。花は天地人を表し、先端が三輪、中程に五輪、下手に七輪となっているそうです。葉にも意味があり、春夏秋冬を表現するため下部を黄色、中程には緑、上の方は淡緑になるように仕立てられており、古より伝わる美しい花となっています。嵯峨菊は単色が多く、御所の雪(白)、御所の秋(黄)、御所の綿(朱)、御所の春(ピンク)が主な色となっています。花の長さは10センチくらいが理想的とされており、独特の風貌で計算されて仕立てられることで、上品で気品あふれるものとなっています。11月の1カ月間だけしか見ることのできない、古来よりの芸術作品ともいえる嵯峨菊を見に行ってみてはいかがでしょうか。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。是非一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。
皆様のご来店心よりお待ちしております。