ブログ京都四条烏丸店

2018.10.10

松茸

「食欲の秋」と言われると、皆様は何を思い浮かべますか?秋刀魚や芋、栗、かぼちゃはもちろん、柿や梨などの果物も美味しいですよね。最近では、秋刀魚の脂のノリがニュースになったり、芋栗かぼちゃを使ったスイーツなどが多く店頭に並ぶようにもなりました。

日本の秋には、美味しいものが沢山ありますが、やはり秋の味覚の王様と言ったら「松茸」と答える方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はこの超高級食材となりつつある松茸についてご紹介させて頂きます。

 

 

国産の松茸

昔から「香り松茸 味しめじ」と言われ、松茸は秋の香りの代表格とも言えるきのこです。

古くより日本人に愛されてきた松茸は、赤松などの木の根と共生関係を保ち生育します。

他のきのことは違い、人口栽培ができず、自然に発生したものを山林で採取し出荷されます。

人口栽培が出来ないことに加え、近年松林の減少から年々希少価値が高まり、国産のものとなると超高級食材となりつつあります。

その中でも、京都丹波松茸ともなると最高級とされており、東京や京都の高級料理店からの引き合いが殺到するほどです。

 

国産の松茸は、長野県、岡山県、岩手県が主な生産地で齢20〜30年の赤松林に発生します。

しかし、ただ発生するのを待つわけではなく、人の手により山の手入れをしていかなければ、松茸の菌糸が発生せず松茸も育たないのです。

そんな希少な松茸の中でも、最高級品として取り扱われている京都丹波松茸は、丹念に手入れをされた山林から生育され、丹波地方特有の、夏が暑く、秋冬は急激に気温が下がるという気候を生かし、最高品質の松茸として大切に育てられたものです。

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外国産の松茸

最近では外国産の松茸も多く見かけるようになりました。中国をはじめ、韓国、カナダ、アメリカ、モロッコ、ブータンなどが主流となっています。

現在では国内消費量の90%以上を輸入品の松茸で占めており、その大半が中国産となっております。

また外国産の松茸の中でも、韓国産のものは日本産のものに近いと言われています。日本の気候風土が近いことが理由に挙げられます。

その中でも特に、北朝鮮に隣接する吉林省や黒竜江省で採取されるものが上質とされています。

これに比べて、カナダ、アメリカのものは見た目も白く、香りも品質も劣ります。

輸入品の松茸の品質の低下は、収穫からの時間の経過や、検疫時の洗浄などが香りを損なうことが理由として挙げられます。

 

 

 

名残鱧と松茸の土瓶蒸し

 

松茸 土瓶蒸し

日本料理特有の楽しみ方と言えば「季節を味わうこと」ではないでしょうか。

食材には「はしり」「旬」「名残」があります。

「はしり」は出始めや初物をいただくことです。

旬」はその食材が最も美味しいとされる時期にいただくこと、そして「名残」は、食材の旬が終わってしまう前に、最後にもう一度楽しむことです。

この「はしり」と「名残」を料理の中で巧みに組み合わせることで、季節が移り行く姿を表現することができます。

そして私達に料理の中で、過ぎ行く季節に名残惜しさを感じさせ、次の季節への期待を抱かせてくれる、とても重要な意味を持ちます。

 

松茸料理と言えば、やはり土瓶蒸しでしょうか。

作り方は様々ですが、ここではおすすめの食べ方をご紹介致します。

土瓶蒸しが出てきたら、まずおちょこにお出汁を入れます。最初に楽しむのは、出汁の香りです。

次に松茸の旨味がぎゅっと詰まったお出汁を飲み、味わいます。

そして最後に、土瓶蒸しの中の具材をお召し上がりいただきます。

 

名残鱧と初物の松茸の土瓶蒸しの組み合わせは、この時期の最高の贅沢ではないでしょうか。

 

 

 

焼き松茸

焼き松茸は、松茸の食べ方の中でも最も贅沢で、松茸そのままの香りや味わいを楽しめる食べ方です。

石づきなどを綺麗に取り除いた松茸を、豪快に手で大きめに裂き、塩のみを振りかけ強火で短時間で焼きます。

この時、水で濡らした和紙を松茸の上にかけ、蒸し焼きの状態にすることで、松茸の持つ旨味や香りがさらに凝縮され、大変美味しい仕上がりになります。

当店では焼き上がった松茸にすだちを添えてお出ししています。すだちを絞ることで、一層松茸の美味しさを際立たせます。

 

 

瓢斗京都店では、会席料理や季節のおすすめの料理の中で、松茸の良さを最大限に活かした料理をご用意しております。

 

この時期しか味わうことの出来ない一品を、どうぞお楽しみ下さいませ。

 

これまで長きにわたり、ご清覧頂きありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

瓢斗四条烏丸店

料理長 山本耕作

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