ブログ京都四条烏丸店

桜餅の歴史と関東風関西風桜餅の作り方について

春になると和菓子屋さんなどで目にする桜餅は見た目かわいく、美味しく、好きな方も沢山いらっしゃるかと思います。最近はコンビニエンスストアでも、桜餅チョコ、桜餅アイスと、桜餅テイストのお菓子などが出ており、人気ですよね。桜餅には関西風、関東風などがありますので、本日は、そんな桜餅についてお話させて頂きたいと思います。

桜餅とは

桜餅

桜餅は文字通り桜を連想させて作られたお菓子で、桜の葉が使われた餅菓子のことです。代表的な桜餅は、淡いピンク色の餅を塩漬けした桜の葉で包んだもので、特有の香りがします。雛菓子の一つであり、春の季語としても知られています。

桜餅は、江戸で長命寺桜餅が徳川十一代将軍家の治下である文化文政年間(1804~1830年)に流行したことより、関東風桜餅が広く桜餅と呼ばれるようになったそうです。他方の物を関東風桜餅と分けるために道明寺という名前で呼んでいるそうですね。京と江戸は文化が違うため、お出汁の違いと同じように桜餅に対しても見方が違い、関東、関西と名付けて地方の文化で見分けることがあります。

「長命寺の桜餅」と言えば向島の「長命寺桜もち」を示し、関東風の桜餅のことではないそうです。関西風の桜餅のことは道明寺と呼びます。

桜餅の歴史

桜餅

長命寺の桜餅の始まりは、享保二年(1717年)とされており、元々はお寺の門番をしていた山本新六が門の前で「山本屋」として売り出したからとされているそうです。隅田川の桜から落ちた葉を醤油樽で塩漬けにして、お餅に巻きつけたものだったと言われています。この桜餅ができた理由は落ち葉掃除で大量に集まる桜の葉を見ていて思い至り、元々は墓参りに来た人々をもてなす為のお菓子として用意したという説もあるそうです。長命寺の桜餅を売り出したとされる山本新六は元禄四年(1691年)から長命寺の門番をしており、下総国銚子出身だったそうです。享保二年(1717年)に将軍吉宗の命令により隅田川沿いに桜の木が植えられると、春の桜の美しさから花見の時期に人々が沢山集まり、賑わったそうです。当然のようにその場所に店を出している山本新六の山本屋も繁盛し、その盛況ぶりは記録に文政のころ(1818-1830年)の桜餅屋のことが書いてあることや、曲亭馬琴他編の『兎園小説』の中で一日の売れ行き売高四貫三百五文三分宛なりとしていることなどでもわかります。

関東風と関西風の違いと作り方

桜餅の歴史でお話ししたように、関東風の桜餅はその伝統的な形の発祥が長命寺にあるとされるため、関東以外の地域において関東風の桜餅を長命寺と呼ぶこともあるそうです。

では、一般的な作り方をご紹介していきます。

材料はシンプルです。塩漬けの桜の葉、生地に用いる粉、小豆餡の3つのみ。生地に用いる粉は小麦粉でも良いですが、餅粉、上新粉、白玉粉などでも作ることができます。生地はこういった粉をベースに砂糖や味甚粉(もち米を餅状にして、焼いて粉にしたもので、もち米からの加工品の1つ)、上南粉(餅米を蒸した後一度乾燥させ、粉にしてから煎ったもの)などを加えます。生地はうっすらとピンク色の方が桜餅らしいので、粉にあらかじめ色を混ぜてください。塩漬けされた桜の葉は、一度水に浸けて塩抜きをします。生地の粉は少しずつ水と合わせていき、しっかり合わさったら生地を薄く延ばして熱を加えていきます。水気が取れて後で巻いたときにちょうど良くなるように、しっとりとしたところで加熱をやめてください。こげないように注意してくださいね。加熱した後は、少し冷まして粗熱を取ってください。小豆餡をちょうど良い大きさに丸めて、皮で包み水気を取った桜の葉で巻いてください。これで完成です。

対して、関西風の道明寺は道明寺粉で皮を作り桜の葉で包んだものです。道明寺は京都の和菓子店などでよく売られているので、京風桜餅と呼ばれることもあります。道明寺の材料は関東風桜餅の材料の粉だけが変わり、塩漬けの桜の葉、道明寺粉、小豆の餡の3つです。糯米を蒸して一度干し、石臼で挽きます。粒の大きさがまばらになり、これが道明寺粉です。この粒の大きさの違いがお菓子が出来上がったとき道明寺らしさを出してくれます。葉の処理や、丸め方はあまり変わりません。道明寺粉は水に浸して水を含ませ、蒸しあげて、砂糖を混ぜます。混ぜ方は蒸した後に直接砂糖と混ぜ合わせるか、水に溶いて蒸しあがった道明寺粉に吸わせます。

皆様、是非春を感じ取れる和菓子ですので召し上がってみてはいかがでしょうか。

当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。自慢の料理で最高のおもてなしをさせていただきます。

皆様のご来店心よりお待ちしております。

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