ブログ京都本店

2019.2.16

京都の和包丁

和⾷がユネスコ無形⽂化遺産に登録され、世界中で⽇本料理への関⼼が⾼ま
っています。欧⽶だけでなく特に中国や東南アジアなどアジア圏の発展がめざ
ましく、多くの⽇本料理店が開店しています。
そのような⽇本⾷ブームとも⾔われる状況の中で注⽬されているのが「和包丁」
です。

フランスの⾼級フレンチ店のシェフやニューヨークの⾼級料理店の料理⼈が⽇
本の切れ味の鋭い和包丁を愛⽤しているそうです。

 

和包丁 出刃

和包丁の歴史は古く、その種類も⽤途によって多岐にわたります。
⽇本料理特有の繊細な包丁技術が必要なことから、世界の他のジャンルの洋包
丁や中華包丁とは製造⽅法や使い⽅も異なります。
今回はこの“和包丁”にスポットをあて、おはなしをさせて頂きます。

 

和包丁は引いて切る、洋包丁は押して切る?

基本的に和包丁は引き切り、洋包丁は押し切りがよく切れると⾔われています。
しかしこれはあくまで基本で、使い⽅は包丁の種類によっても違います。
和包丁で⿂のお造り⽤の柳包丁は引き切りが基本ですが、野菜⽤の薄刃包丁で
野菜を刻む時などは押して切るのが基本です。
この和包丁の“引き切り”は⽇本の武家社会の⽇本⼑に由来し、深く関係している
と⾔われています。

 

和包丁の歴史

和包丁の歴史は古く、奈良時代にまで遡ります。⽇本最古のものは奈良の正倉院
に現存します。その後戦乱の時代には“⽇本⼑”の⽂化が発達してゆきます。
和包丁はこの⽇本⼑からとても⼤きな影響を受けていると考えられています。
そして現在の⽇本料理の和包丁の形になったのは明治時代以降といわれていま
す。

 

和包丁の種類

和包丁

和包丁は⼤きく分けると3つに分類されます。
出刃包丁、柳包丁(刺⾝包丁)、薄刃包丁(野菜包丁)の3つです。
京都では刺⾝包丁のことを菖蒲とも呼びます。これは包丁の形が菖蒲に似てい
ることに由来するといわれています。
⽇本料理の料理⼈たいていはこの3種類の包丁を持っていて、とても⼤切にし
ています。

京都の料理⼈にとってもう⼀つ⼤切な包丁が鱧の⾻切り包丁です。
⻑くて⼤きいその形がとても特徴的で存在感があります。

 

基本的に和包丁は⽔に濡れるとすぐに錆びてしまいます。そのため和包丁は使
⽤した後、必ずこの⽔気を拭き取らなければなりません。
これは和包丁の材質が鋼(はがね)でできていることが原因です。
⼀⽅、ステンレス製の洋包丁や家庭⽤の万能包丁などは⽔に濡れてもほとんど
錆びません。最近ではステンレス製の和包丁も作られています。
⽇本料理に限らず、料理⼈はそれぞれの包丁を研いだり、磨いたり。この毎⽇の包丁のお⼿⼊れも⼤事な仕事です。

 

京都の和包丁

京都には⽼舗の庖丁屋がたくさんあります。
中でも有名なのが“有次”です。
錦市場に本店があり400 年以上も続く⽼舗です。
1560 年、⼑鍛冶として創業。今では世界中から有次の庖丁を求めてお客様が訪
れ、店内はいつも賑わっています。
和包丁だけでなく、洋包丁や様々な調理道具も販売しています。

 

堺の和包丁

堺の包丁の歴史は古く戦国時代まで遡ります。
1543 年(天正12 年)ポルトガル⼈によって鉄砲やたばこ等が⽇本に伝えられ
ました。これによりタバコの葉を刻む包丁が堺で造られるようになりました。
その後徳川幕府の⽀援もあり、堺は刃物の⼀⼤⽣産地となりました。
そして現在では600 年の伝統や技が脈々と受け継がれ、堺の和包丁は世界に誇
れるブランドとして知られています。

 

瓢⽃京都駅前本店ではお⼿⼊れされた和包丁を使って、毎⽇お造りを引いたり、
野菜を切ったり。和包丁は⼀番良く使う道具なのかもしれません。
名物の出汁しゃぶ鍋をはじめ季節の京懐⽯など多数とり揃え、お客様をお待ち
しております。
これまでの⻑きにわたりご清覧いただきありがとうございました。

 

瓢⽃京都駅前本店
料理⻑ ⼭本耕作

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