ブログ京都本店
子持ち鮎について
朝夕冷え込む季節になりましたが、皆様、お元気にお過ごしでしょうか。本日は、子持ち鮎についてお話させていただきたいと思います。
子持ち鮎とは
成長した鮎は夏の終わりになると産卵のため川を下るようになります。この時期の鮎は卵を持っているため「子持ち鮎」と言われています。
さらに川を下るようになった鮎を「落ち鮎」と称しています。何れも鮎の旬の時期のおいしさは失われていますが、子持ち鮎や落ち鮎を愛好する人も多いようです。
なお、子持ち鮎の食べ方は塩焼き。旬の時期のおいしさは失われていますが、子持ち鮎の塩焼きにはそれなりの風味があります。また、落ち鮎の食べ方の主流は甘露煮や煮びたし。落ち鮎になるとさすがに風味が落ちているため、旬の時期の食べ方は不向きなようですが、鮎のおいしさをそれなりに楽しむことはできそうです。
鮎の特徴
成魚の全長は30cmに達しますが、地域差や個体差があり、10cmほどで性成熟するものもいます。若魚は全身が灰緑色で背鰭が黒、胸びれの後方に大きな黄色の楕円形斑が一つあります。秋に性成熟すると橙色と黒の婚姻色が発現するようです。体型や脂鰭を持つなどの特徴がサケ科に類似しており、口は大きく目の下まで裂けるが、唇は柔らかい。歯は丸く、櫛(くし)のような構造をしています。北海道・朝鮮半島からベトナム北部まで東アジア一帯に分布し、日本がその中心です。石についた藻類を食べるという習性から、そのような環境のある河川に生息し、長大な下流域をもつ大陸の大河川よりも、日本の川に適応した魚であると言えます。天塩川が日本の分布北限。遺伝的に日本産海産アユは南北2つの群に分けられます。中国では、河川環境の悪化でその数は減少しているが、2004年に長江下流域でも稚魚が発見された報告があるなど、現在も鴨緑江はじめ、東部の各地に生息しています。また、中国では浙江省などで放流や養殖実験が行われているそうです。台湾でも中部の濁水渓以北で生息していたが、現在は絶滅が危惧されています。
食材としての利用
特に天然アユを中心に、出まわる時期が限られていることから、初夏の代表的な味覚とされています。
日本各地のアユの胃の内容物に関する調査の結果、濁りが多い川のアユは胃に泥を多く持ち、食味にも泥臭さが出ます。この場合、はらわたを除去することで泥臭さを避けることもできます。一方、泥が少ない川では胃にも泥が含まれず、食味も大幅に改善するようです。同じ川でも、遡上量が多く川底がアユによって「掃除」されたような年には風味も良くなるそうです。
日本では一般に、魚は刺身で食するのが最良とされています(割主烹従)が、アユについては例外的に塩焼きが最良とされています。一般に初夏のものはアユの独特の香気を味わい、晩夏のものは腹子を味わうとされています。アユは、初夏から夏の季節を代表する食材として知られ、清涼感をもたらす食材です。秋の鮎もおいしいですが、特に初夏の若アユが美味とされ、若アユの塩焼きや天ぷらは珍重されます。鮎は蓼酢で食べるのが一般的ですが、ほかにも蓼味噌を添える場合もあります。塩焼きにした後に残った骨はさらに炙り、熱燗の日本酒を注ぐ骨酒とすることができます。
刺身にするには、旬のアユを冷水で身を締め、洗いや背越しにします。特に背越しは骨の柔らかいアユの特徴的な調理方法で、ウロコや内臓を除去したのち、骨や皮ごと薄く輪切りにしたもので、清涼感のある見栄えや独特の歯ごたえを楽しみます。酢や蓼酢などで食することでもアユの香気を味わうことができます。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。是非一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。
皆様のご来店心よりお待ちしております。