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淀大根のお話
京野菜の一つである、「淀大根」をご存知でしょうか?正式には、聖護院大根と呼ばれ、煮ると柔らかく甘みを増し、とろけるような口当たりで、冬のおばんざいに欠かせない野菜の一つなのです。
今回は、淀大根についてお話させていただきたいと思います。
淀大根とは?
京都市の東部、左京区聖護院地区で誕生した淀大根は、京都の伝統野菜として知られています。大きさは、直径15~20㎝ほど、重さは、1~2.5㎏で、一般的な細長い姿ではなく、太くて短い丸々とした見た目に特徴があります。土壌の浅い京都の土地に適しており、聖護院一帯に栽培が広がったため、「聖護院大根」と呼ばれるようになりました。
近年では、京都南部の淀地区を中心に栽培されるようになった事から「淀丸大根」または「淀大根」とも呼ばれることも多いようです。京都市内や南丹地域、山城地域、丹後地域と、京都全域で栽培され、京ブランド産品として全国へ出荷されているのです。
淀大根は、8月末~9月上旬に種がまかれて、寒さが厳しくなる12月~1月の時期にかけて収穫されます。
丸々とした姿が「カブに似ている」と思われる方も多いのですが、大根は「ダイコン属」、カブは「アブラナ属」と異なります。また、カブの表面はツルツルしているのに対して、淀大根にはぷつぷつとした穴があると言う点にも違いがあります。
淀大根に含まれている栄養素
淀大根には、美容や健康に嬉しい栄養素が多く含まれていて、特にビタミンCとカルシウムが豊富です。
ビタミンCは、コラーゲン構築の際に必要なビタミンであると同時に、抗酸化作用などがあるためアンチエイジングにも効果的です。しかし、ビタミンCは水溶性であることから、加熱すると栄養素が溶け出してしまうという性質があるのです。淀大根のビタミンCを余すことなく摂取するためには、生のままサラダなどにしていただく、もしくは、茹でた汁ごといただくのがおすすめです。
また、淀大根にはホウレンソウの2倍もの量のカルシウムが含まれています。骨や歯を健康に保つのに欠かせないカルシウムは、体内で作り出すことができませんので、食品から摂取する必要があります。日本人は、1日に必要な摂取量を満たせていない人が多いので、積極的に意識して取り入れたいですね。
淀大根のおすすめの食べ方
きめ細やかでやわらかい肉質で、煮崩れしにくいため、煮物料理に適しています。大根にありがちな苦みも少なく、甘みがあって歯切れの良さも抜群です。
煮物の他にも、おでんや和風サラダ、ポトフ、ぶり大根など、様々な料理に合う言われています。
いくつかの京都のお寺では、12月に無病息災を願う「大根だき」が行われ、千本釈迦堂では聖護院大根がお供えされます。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。
ぜひ一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。皆様のご来店心よりお待ちしております。