ブログ京都本店

2019.3.18

滋賀県名産、鮒寿しについて

日本には、その地域ならではの伝統的な郷土料理が多くありますが、滋賀県の「鮒寿し」はご存知でしょうか?かつては保存食とされていた鮒寿しは、現在のお寿司のルーツとも言えます。

本日は、滋賀県名産、鮒寿しについてお話させていただきます。

鮒寿しについて

ニゴロブナ
「鮒寿し」とは、厳しい冬に琵琶湖で捕れるニゴロブナを漬けたもので、冒頭でお伝えした通り滋賀県の郷土料理の一つです。現存する最古の寿司とも呼ばれている「鮒寿し」は、「ナレズシ」という乳酸菌発行を利用して作る保存食でもあります。さらに、発酵食品である鮒寿しは、風邪を引いた際にお湯をかけて飲むと、乳酸菌の働きによって発汗が促進されて、楽になると言われています。お腹の調子が悪い時などにも、鮒寿しが持つ乳酸菌によって、症状が改善されるともされているのです。

もともと鮒寿しは「熟れ寿司(なれずし)」の一種であり、タイ北部から中国の雲南省にかけての地域に起源をもっています。「熟れ寿司」とは、魚を塩と米で乳酸発酵させた食品のことです。現在、寿司には酢が使用されていますが、本来は乳酸発酵による酸味が用いられていました。
今から約1400年~1500年ほど前に、中国大陸から日本へ水田稲作農業の技術が伝わった時と同じように伝わったとされ、平安時代の「延喜式」にも鮒寿しについての記載があります。

古くは保存食として食されてきた熟れ寿司ですが、それだけでなく神事や祭と行った際にも神饌や直会として用いられることもあります。昔から、滋賀県の一般的な家庭でも土用の丑の日に魚を漬け込み始めて、お正月の食卓を彩る御馳走として、親しまれてきたのです。

いろいろな鮒寿し

鮒寿司
「鮒寿し」には、ニゴロブナ以外の魚を使用したいろいろな種類のものがあり、例えば、琵琶湖で捕れるアユやハスを熟れ寿司にすることもあるそうです。
さらに、鮒寿しには「本漬け」と「甘露漬け」という2通りの漬け方があります。「本漬け」とは、塩漬けにした魚を米に漬けて発酵させる方法です。一方の「甘露漬け」は、香りが少ないのが特徴で、本漬にした鮒寿しのお米を取り除いてさらに酒粕に漬ける方法で作られます。

鮒寿しの歴史

鮒寿しはもともと中国で鯉を使用して作られていました。その後、現在の滋賀県にその作り方が伝わり、琵琶湖に生息しているニゴロブナを使って作られ始めました。昔は現在のように水田がきっちりと整備されていなかったため、大雨の際や梅雨の時期になると水田と川がつながってしまっていたようです。その際に遡上した鮒が水田に産卵し、次第に産卵場所となっていったのです。
かつてはたくさん捕ることができていたニゴロブナですが、30年ほど前から漁獲量は徐々に減少し、現在では希少な魚とされています。

当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。

ぜひ一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。皆様のご来店心よりお待ちしております。

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