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丸十(さつまいも)
日本料理の献立には「丸十」と表記されることがよくあります。
皆さま、「丸十」とは何かご存知でしょうか。
丸十とは、薩摩藩島津氏の家紋が丸に十字であったことからつけられた野菜の名前です。
ヒントは、その野菜の有名な産地が鹿児島であることです。
正解は、「さつまいも」です!
本日は、丸十の名称や丸十のレモン煮の作り方についてお話をさせていただきます。
丸十の名称
「丸十」は、薩摩藩島津氏の家紋であるということを冒頭でお話をさせていただきました。
そもそものさつまいもの原産国は南米で、そこからフィリピン・中国と伝来し、1600年代に中国から琉球王国へと伝わりました。
やがて薩摩藩に伝わり、そこでよく栽培された作物であったことに由来します。
その後、さつまいもは全国に広まるようになりましたが、鹿児島県はさつまいも生産量のトップで全国の生産量の3割程度を産しています。
地域によってもその呼び名は変わり、沖縄や鹿児島では唐から渡来した芋とのことで「唐芋(とういも・からいも)」と呼ばれ、本州では九州から伝来した芋で「薩摩芋(さつまいも)」と呼ばれ、その名前が全国に広まりました。
丸十の別名
別名として、甘いことから「甘薯」とも言われています。
他にも、さつまいものは呼び名があるのですが、ご存知でしょうか?
江戸時代の焼き芋屋さんの宣伝文句のお話です。
寛政の頃、江戸本郷四丁目に「八里半」の看板を掲げて大繁昌した焼芋屋があつたそうです。
八里半というのは、焼いたさつまいもが九里(栗)に近い美味しさという意味です。
まもなく、小石川白山に「十三里」と書いた行灯が現われて、「九里(栗)四里(より)美味しい」という意味と、さつまいもの名産地で知られた埼玉県の「川越が江戸から約十三里 の距離であった」ことに因んでいます。
洒落が利いた名前であると江戸っ子に受けたようです。
ほかにも説があって、江戸時代の宝永年間に京都の焼き芋屋さんが「八里半」という看板を出したそうです。
当時、さつまいもは蒸し芋で食されていたようなのですが、焼いたさつまいもは栗の味に似ているので、「栗(九里)にはやや及びませんが」という意味で「八里半」と名付けたというのです。
いずれにしても、江戸っ子は洒落の利いた名前を好んでいたんですね。
丸十のレモン煮
せっかくですから、丸十を使ったレシピ「丸十のレモン煮」をご紹介したいと思います。
レモンの香りが爽やかな、甘い味付けのレモン煮は会席料理の八寸や付け合わせによく登場します。
【材料・分量】 4人分
サツマイモ 1本
レモン 3枚
砂糖 大さじ2
水 500cc
濃口醤油 小さじ1
【作り方】
- さつまいもを1㎝位の輪切りにします。
- 20分ほど水でさらします。
- 鍋に入れて水を入れ火を点けます。
- 沸騰したら砂糖を入れて、スライスしたレモンを入れて落とし蓋をして弱火で煮ます。
- 10分ほど経ったら、醤油を入れて再び落とし蓋をして煮ます。
- 30分経ったら様子を見て完成です。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。
是非一度、当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。
皆様のご来店心よりお待ちしております。