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京野菜・時無し大根の話
京野菜のひとつである「時無し大根」をご存知でしょうか?ユニークな名前を持つこの大根は、耐寒性があるため時期に関係なく収穫することができる、少し変わった大根なのです。定番のおろし大根はもちろん、煮物や漬物などにも用いられる時無し大根は、京野菜の中でも人気の高い伝統的な野菜です。
本日は、京野菜の「時無し大根」についてお話させていただきたいと思います。
時無し大根とは
「時無し大根」とは、耐寒性があるために盛夏を除けば、時期に関わらずいつでも収穫することができる大根で、京野菜の一つともされています。正式名称を「早太り花知らず時無大根」と言い、3月にタネをまくと6月に、10月にまくと3月~4月に収穫することができます。肉質は硬く、辛味があることから大根おろしとして用いられることが多いのですが、煮物などに使用されることもあります。また、時無し大根の根は柔らかいため、漬物にも適していると言われています。
時無し大根の根の太さは6㎝~8㎝程度で、長さは45㎝程度、一般的な青首大根と比較すると根の部分が白く、葉の色が濃いのが特徴です。
そもそも、時無し大根の起源は1810年(文政の初め頃)にさかのぼります。現在の南区東九条が位置する東九条村の小山藤七が、極晩生の大根を「藤七だいこん」という名付け販売したのが始まりだと言われています。
時無し大根は、京都府によって「京の伝統野菜」に認定されていることから、京野菜の一つとしても知られています。
京野菜について
時無し大根を含む京野菜とは、一般的に京の伝統野菜とブランド京野菜を含めた43種類の野菜のことを意味しています。地形的に海から遠い京都で精進料理が発展していく中、恵まれた風土と農家の工夫と努力によって、京料理に欠かせない貴重な食材として生まれたのが、京野菜なのです。
京野菜として認定されている野菜は、大根だけでも数種類あります。具体的には、煮物用として今では全国に広がっている「聖護院ダイコン」や、コカブのような見た目をしている「辛味ダイコン」などが挙げられます。
今回は、京野菜の一つである「時無し大根」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?数多くある京野菜の中でも、ほぼ一年中栽培することができる野菜はめずらしいものです。ぜひ、機会があったらみなさまも召し上がってみてはいかがでしょうか。
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